皮膚症状や発熱時などでの受診時の全身診察に関する当院の方針および男性・女性医師の希望可能について

皮膚や発熱時の診察における当院の方針

当院では、小児科としての適切な診療の一環として、一部の皮膚症状や発熱時であっても、医師の判断により上半身の皮膚を視診する場合があります。

 

一方で、お子さまや保護者の皆さまに、少しでも安心して受診していただけるよう、受付時に医師の性別(男性医師・女性医師)をご希望いただける体制を整えております。
(なお、医師を指名された場合、診察までにお時間をいただく場合がございますこと、あらかじめご了承ください)

 

診察に対する感じ方は人それぞれであり、医療として必要な対応であっても、事前に十分なご説明や共有がなければ、ご不安につながることがあることを私たちも改めて認識しております。

 

そのため、当院では診察方針をあらかじめホームページにてご案内し、ご理解のうえで受診していただけるよう努めております。

 

以下に、皮膚や発熱時の診察に関する基本的な方針、および医師の性別に関するご希望への対応についてまとめておりますので、ご一読いただき、ご理解とご協力を賜れますと幸いです。

 

 

 

皮膚や発熱時の診察に際してご理解・ご同意いただきたいこと

皮膚症状の診察では、首や手など一部に症状が見られる場合でも、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎の悪化など、全身の状態を正しく評価するためには、限られた部位だけの確認では十分でないことがあります。そのため、医師の判断により、必要に応じて上半身を含めた皮膚全体の状態を確認させていただくことがあります。

また、発熱やかぜ症状の際にも、溶連菌感染症、麻しん(はしか)、水ぼうそう(水痘)など、発疹の有無や性状が診断に重要となる疾患があるため、皮膚の視診を行う必要があります。

さらに、皮膚の変化からは、血液疾患やアレルギー疾患、まれに膠原病や代謝異常などの全身的な病気が見つかることもあります。こうした背景を適切に判断するためには、皮膚、特に体幹部を含めた広い範囲の観察が重要となる場合があります。

 

当院は小児科クリニックとして、単に症状に応じたお薬を処方するのではなく、症状が現れている部位に限らず全身の状態を把握したうえで、適切な診断と治療を行うことが重要であると考えております。

 

限られた部位のみの診察では、他の症状を見落としたり、誤った診断につながる可能性があるため、必要に応じて全体の診察をさせていただいております。

診察は原則として保護者の同席のもとで行っております。診察室は半個室のつくりになっており、プライバシーに配慮した環境で診療を行っています。

なお、年齢が高くお子さまが単独で診察室に入られる場合は、必ず看護師が立ち会っております。

 

医師の性別については、できる限りご希望に添えるよう配慮しておりますが、ご希望の医師が不在の場合もございます。
その際は、当院の診察方針にご理解いただけない場合、必要な診察ができず、応急的な対応にとどまる可能性があることをあらかじめご了承ください。

 

 

男性医師・女性医師のご希望について

当院では、かかりつけ登録の有無にかかわらず、男性医師・女性医師のご希望を承っております

 

ご希望がある場合は、受付時(診察前まで)に必ずお申し出ください。

 

ただし、曜日によっては男性または女性医師のみの診療体制となる時間帯がございます。
その際は、別日の受診またはご同意のうえでの診察となりますことをあらかじめご了承ください。

 

また、医師指名された場合は診察までにお時間をいただく場合がございますこと、あらかじめご了承ください。

 

今後も、お子さまと保護者の皆さまが安心して受診いただけるよう努めてまいります。

子どもの夏のトラブルまとめ|ヘルパンギーナ・手足口病・とびひ・あせもなど ― 詳しくは本文をご覧ください

夏に気をつけたい感染症や皮膚トラブル、熱中症など

夏に流行する代表的な子どもの感染症や疾患、よくある相談について、各疾患の詳しい説明ページへのリンクをまとめています。
症状やホームケア、登園基準、受診の目安などを知りたい方は、
ページ下部のリンクからご覧ください。

 

夏が近づき、気温や湿度が高くなるにつれて、子どもたちの体調に影響を及ぼす季節性の病気が増えてきます。江戸川区にあるM’s(エムズ)こどもクリニック瑞江では夏に発症する以下のようなこどもの病気に診察、治療、アドバイスを行なっています

 

夏になると高熱を伴う感染症が多く、熱性けいれんの発症リスクも上がる時期です

 

特に アデノウイルス感染症手足口病ヘルパンギーナ は夏風邪の代表格とされており、注意が必要です。

 

また、気温の上昇とともに 熱中症 のリスクが高まり
あせもとびひなど皮膚のトラブルも多く見られるようになります。

 

さらに、保護者の方からは 日焼け止めの使い方虫よけの選び方 についてのご相談も増えています。

 

気になる症状がありましたら、下のリンクから各ページをご覧いただけます。ご家庭でのケアや受診の判断にぜひお役立てください。


▼ 夏に関連する病気・ケアのご案内

【3種混合ワクチン】少数入荷のため電話予約再開しました(定数に達し次第終了します)百日咳の予防になります。年長さん以上におすすめします

【百日咳のご案内とワクチンの大切さ】

3種混合ワクチンに含まれる百日咳に対する効果は、年長児や成人の百日せき感染を防ぐだけでなく、重症化リスクの高い乳児への感染拡大を防ぐ目的でも重要です。
江戸川区の小児科「M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江」でも、このような背景から追加接種をご案内しています。

当院では、妊娠中の方への接種についてもご案内しています。
予防接種の意義について、今一度ご確認ください。

 

百日咳は、長く続く強い咳が特徴の感染症です。熱はあまり出ず、「風邪かな?」と思われがちですが、咳だけが何週間も続くことがあります。

とくに小さなお子さんでは、咳の発作で息が止まる、顔色が青くなる、吐いてしまうなど、重症化することもあります。

この病気は、咳が出はじめた初期にもっとも感染力が強く、治療薬もこの時期にしか効果がありません

また、百日咳の診断は簡単ではありません。抗原検査はすぐに結果が出ますが正確性に乏しく、より信頼できるPCR検査も結果に数日かかります。しかも、PCR検査の精度が高いのは咳が出始めて1週間以内に限られ、風邪との見分けも難しいのが実情です。

 

 

【だからこそ、予防接種が大切です】

百日咳は、早期に診断が難しく、もっとも感染力が強いのもその初期です。
そのため、自分を守るだけでなく、ワクチンをまだうてない赤ちゃんを守るためにも、予防接種がもっとも効果的です。

百日咳 年齢別報告(2022年データ)

百日咳は全年齢でかかる可能性がありますが、特に小中学生の年代(5~14歳)での報告数が多く、また、
乳児期(1歳未満)では重症化のリスクが高いことがわかっています。

年齢区分 百日咳報告数
0〜5か月 10人
6〜11か月 15人
1〜4歳 35人
5〜9歳 150人
10〜14歳 200人
15〜19歳 50人
20歳以上 100人

出典:国立感染症研究所「百日咳 全数報告サーベイランス(2022年)」

 

3種混合ワクチン(DPTワクチン)について

現在、3種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)の接種予約を受け付けています。
特に百日咳に対しては、ワクチン接種がもっとも効果的な予防手段です。

 

 

◆ ご予約方法

電話予約のみとなります。
ご希望の方は、下記時間内にお電話ください。

  • 電話番号:03-6231-8388
  • 受付時間:平日・土曜日 10:00〜12:00/14:00〜17:15

接種費用:自費 5,000円(税込)

 

 

◆ 接種対象

  • 5〜6歳の年長さん以降のお子さまにおすすめです
  • すでに4種混合(または5種混合)を接種済みの場合、しばらくは追加接種の必要はありません
    (※4回目接種から約4年後が目安です)

 

 

◆ 接種間隔について

  • 他のワクチンを直近で接種していても、3種混合ワクチンはいつでも接種可能です。
  • ただし、DTワクチン(2種混合)を接種済みの場合は、同じ成分(ジフテリア・破傷風)を含むため、はっきりした決まりはありませんが個人的に6か月程度の間隔をあけることをおすすめします
  • DT(定期接種)の代わりに、3種混合ワクチン(DPT)を自費で接種することも可能です。DPTには百日せき成分が含まれており、学童期や成人での百日せき再流行を防ぐ目的で、日本小児科学会も推奨しています。

 

 

◆ 百日咳の流行とワクチンの効果

  • 現在、百日咳が流行していますが、2〜3回の接種で発症リスクが大幅に低下します
  • 4種混合ワクチンの追加接種まで完了していれば、4〜7年ほど効果が持続します

 

 

◆ 特に接種をおすすめしたいケース

  • 年長以上のお子さまがいるご家庭で、新生児がいる場合
  • 今後ご出産予定がある場合
    → 家庭内での感染予防のため、3種混合ワクチンの追加接種をおすすめします

ポリオワクチン(不活化)との同時接種も可能ですが、現在日本では流行がないため積極的な推奨はしていません。
4種混合ワクチンの「追加接種」は制度上できませんのでご注意ください。

 

【百日咳ワクチン接種をご希望の方へ】

当院では、ジフテリア・百日咳・破傷風を予防する三種混合ワクチン「トリビック®」を使用しております。

日本では現在、小学生以上の年齢で百日咳を予防できるワクチンは本剤のみ承認・流通しています。そのため、当院でもこちらのワクチンを使用し、百日咳に対する追加免疫を行っています。

 

 

【なぜこのワクチンを使用するのか】

本来、年齢が高くなると抗原量を少なく調整した成人・思春期向けのワクチン(Tdap:例 アダセル®)が適していますが、日本では未承認のため一般の医療機関では使用できません。

一部のクリニックではアダセル®を独自に輸入して使用している場合もありますが、未承認ワクチンを接種した際に副反応が起きても、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の救済制度の対象外となります。

そのため当院では、承認済で公的救済制度の対象となる「トリビック®」を採用しています。

 

 

【副反応について(11歳以上の方)】

このワクチンは、抗原量(特にジフテリア・百日咳毒素)が多く含まれているため、以下のような副反応が報告されています。

  • 注射部位の反応(比較的よく見られます)
    • 赤み(74.9%)
    • 腫れ(72.6%)
    • かゆみ(59.2%)
    • 痛み(56.1%)
    • 熱感(51.6%)
    • 硬くなる(45.0%)
  • 全身症状
    • 発熱、頭痛(5%以上)
    • 倦怠感、わきの下の痛み(1〜5%未満)

これらは一時的な反応ですが、まれに強く出ることもありますので、ご理解のうえで接種をお願いいたします。

 

 

◆ 妊娠中におけるトリビック®接種について

百日咳は、生後すぐの赤ちゃんがかかると重症化しやすい感染症です。日本では成人向けのTdapワクチン(アダセル®など)が未承認のため、当院では妊娠中の追加免疫として、厚生労働省により承認されている「トリビック®(DPTワクチン)」を使用しています

トリビック®添付文書にも「妊婦または妊娠の可能性がある女性には、有益性が危険性を上回ると判断される場合に接種する」と記載されており、妊娠中でも接種は可能です。

 

【接種が推奨される妊娠週数とその理論的背景】

妊娠中のワクチン接種は、時期を適切に選ぶことで赤ちゃんにより多くの抗体を届けることができます。

  • 推奨週数:妊娠28週〜32週ごろ

この時期に接種が勧められる理由として、次のような科学的根拠があります。

  • 胎盤を通じた抗体移行が妊娠後期(28週以降)に最も活発になる。
  • 接種後に抗体価が上昇するまで約2〜4週間を要するため、出産の2〜3週間前までに免疫が完成していることが望ましい。

出典:厚労科研「妊婦に対する百日咳含有ワクチン接種の抗体応答と児への移行抗体に関する研究(分担69)」2023年

 

【有効性】

  • 妊娠28~32週ごろの接種により、母体の抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移行します。
  • 厚生労働科学研究(令和5年度)では、接種4週後に抗PT抗体が7.3倍、抗FHA抗体が12倍に上昇
  • 分娩時の臍帯血では98〜100%の新生児で抗体保有が確認され、乳児期の百日咳予防に寄与します。

出典:厚労科研「妊婦に対する百日咳含有ワクチン接種の抗体応答と児への移行抗体に関する研究(分担69)」2023年

 

【安全性】

  • 妊婦470人を対象とした研究では、妊娠合併症・早産・胎児異常・先天奇形などに有意差なし
  • 副反応としては、注射部位の腫れ・痛み(約60%)や軽度の全身症状(約25%)が見られましたが、いずれも一過性で自然に改善しています。
  • 海外でのTdapワクチンのデータとも整合しており、安全性に大きな問題は確認されていません

出典:厚労科研「妊婦へのDPTワクチン接種に関する後ろ向きコホート研究(分担70)」2023年

妊娠中の方で接種をご希望の方は、妊娠週数をスタッフまでお知らせください