登園できるのはいつ?|手足口病・ヘルパンギーナの登園基準と当院の許可証対応
手足口病・ヘルパンギーナの登園基準について
当院の登園許可証の基準
手足口病・ヘルパンギーナは治癒までに3週間以上かかることが多いため
「発熱がなく、口腔内の水疱・潰瘍による影響もなく、普段どおりに食事がとれること」
をもって保育園・幼稚園・小学校への登園登校許可証を記載しています。
これは以下の公式サイト、ガイドラインを参考にしています
▶︎ 保育所における感染症対策ガイドライン
(手足口病は58ページ、ヘルパンギーナは62ページをご参照ください)
▶︎ 厚生労働省|手足口病に関する感染症情報
▶︎ 厚生労働省|ヘルパンギーナに関する感染症情報
病気についての詳しい情報は当院にて記載している以下のページもご参照ください:
▶︎ 手足口病について
▶︎ ヘルパンギーナについて
保育園ごとの対応について
保育園によってはより厳しい対応を求めるところもあります。当院が嘱託医をしている園以外では、
保育園独自の基準に沿った個別対応はできません。その他の基準がある場合は、
該当の保育園またはその園の園医さんにご相談ください。
手足口病の症状について
手足口病は、発熱後に手のひら、足の裏、口の周囲、おしり周りなどに発疹が出ることが多いです。
ただし、発熱がなく発疹のみの場合もあります。
ヘルパンギーナの症状について
ヘルパンギーナは、喉の奥に小さな水ぶくれや潰瘍(口内炎)ができるのが特徴です。こうした口内炎の痛みにより、飲んだり食べたりするのが難しくなることがあります。
また、38〜39度を超える高熱が出ることが多く、発熱は通常2〜3日でおさまります。口内炎の症状は3〜5日ほどで自然に軽快することがほとんどです。
治療と対応
ヘルパンギーナや手足口病には特効薬はありません。熱が高い場合は、解熱剤(アセトアミノフェンなど)を使っても問題ありません。
手足に発疹が出ることがありますが、通常はかゆみがないため、特別な塗り薬は必要ありません。気になって触ってしまう場合は、ワセリンを使うとよいでしょう。おしりが荒れている場合は、かぶれ用の塗り薬を使用します。
年齢が高いお子さんでは、かゆみを伴うことがあります。かゆみが強い場合には、塗り薬や飲み薬を処方することもありますが、いずれもウイルスに効く薬ではなく、症状を和らげるためのものです。
受診が必要な場合の目安
お子さんの状態を確認し、以下のような症状がある場合は早めに医療機関を受診してください:
発熱が3日以上続く、3〜4回以上嘔吐する、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、
水分が取れずにおしっこが出ない、顔が青白くぐったりとしている
発疹やウイルスの経過
通常、発熱は1〜2日、発疹は7〜10日ほどでかさぶたになり治癒します。
ウイルスは喉から1〜2週間、便からは1ヶ月ほど排泄されるため、
無症状でもウイルスを持っていることがあります。
集団生活と感染対策について
無症状の保菌者もいて、発病者のみを隔離しても感染拡大を完全に防ぐことは困難です。
乳幼児の集団生活では、ある程度の感染拡大は避けがたいものです。
登園許可証の法律的な位置づけ(再掲)
ヘルパンギーナ・手足口病については、登園に関する書類の提出が法律で義務付けられているわけではなく、完全な基準があるものではありません
当院では
保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)
を参考に、医師の診察と判断により
「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」
をもって登園許可証を記載しています。