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乳幼児(赤ちゃん~3歳位まで)の喘息診断と喘息性気管支炎について

乳幼児の喘息・喘息性気管支炎について

 

・小さい子ども(2~3歳くらいまで)のゼーゼーは、喘息と似た状態ではありますが、風邪が引き金になって、病気の中心は感染による気管支炎です。

風邪をひかなくなる、3歳くらいからゼーゼーすることも減ってきますので、いわゆる「小児喘息」とは、異なる分類の「乳児喘息」として考えてください。

 

・飲み薬や吸入をしても効果が感じられないことが多いのは、アレルギーの喘息ではないためです。効果がないからといって、どんどん強い薬に変更する必要はありません。

 

・去痰薬と安静や冬場であれば加湿などの対症療法でゆっくり治すしかありません。

 


 

 

2歳くらいまでのお子さんは風邪をひくと喘息のようにゼーゼー、ヒューヒューします。よく、「こうしたゼーゼーがあると、うちの子は、喘息だろうか?」と心配になると思います。この年代での喘息は、「乳児喘息」として、3~4歳以上の年長児の「喘息」とは別のものとして考えるべきです。

 

実際、年長児の気管支喘息発作であれば気管支拡張薬の吸入薬や内服薬を使用すると、程度に差はありますが、効果がはっきりあります。しかし、2歳くらいまでの「ゼーゼー」に吸入や内服をしてもあまり効果が感じられないことがよくあります

 

年長児の喘息は、なかなか治りにくいもので、長くつきあっていく病気ですが、2歳くらいまでの乳児喘息は、自然に起こさなくなります。

喘息というとどうしても、「半永久的」、「ずっと治療が必要」と想像するかもしれませんが、「乳児喘息」は治ることがおおく、「喘息」に全員が移行するわけではありません。逆に小さい頃はゼーゼーしたことがなくても成長してから喘息を発症することもあります。

 

ですので、2歳くらいまでの乳幼児期には「喘息」という診断にあまりこだわらず、そのときの治療と予防をすべきです。

 

乳児でも喘息のような状態を繰り返す場合は、オノン・キプレス・シングレアといった喘息に対する抗アレルギー薬やパルミコートというステロイド吸入薬を予防で使うこともありますが、1度ゼーゼーしたからといって、使用する必要はありません。これらは、主に予防薬ですので、ゼーゼーしているときに使っても効果は弱く、おこしていない普段から使用するのが重要になります。そのため、長期的に使う必要があり、導入するのも慎重に行った方が良いと考えます。

 

ゼーゼーしているときは気管支拡張薬や去痰薬を使用しますが、風邪が引き金になっていますので、人混みを避け、安静にすごしたり、水分を少しずつ取り、痰を排出しやすくしたり、こまめな鼻吸引により哺乳しやすくしたり、空気の乾燥する時期であれば、加湿することが重要です。

 

この引き金となる風邪ですが、気道感染をおこすウイルスはコロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどたくさんあります。

 

インフルエンザウイルス以外は治療薬がなく、いずれも自然回復する病気です。しかし、一部重症化して、入院の上、点滴による水分補給、酸素投与、混合感染に対し抗生剤投与などが必要になります。

 

そのため、重症化の見極めが必要です。重症になった場合、哺乳ができなくなり、呼吸が速く、胸をへこませながら呼吸をするようになります

 

もっとも重要なポイントは母乳やミルクを飲めるかどうかです。飲む量が減ってくるようならかかりつけ医をこまめに受診してください。

 

M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江

院長 高松昌徳