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TEL : 03-6231-8388

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子宮頸がんとワクチンについて

目次(項目をクリックすると記載部に移動します)

 

1.子宮頸がんについて

2.子宮頸がんワクチンの効果について

3.接種年齢、回数、接種間隔について

4.子宮頸がんワクチンを接種する前に知っておくこと

 

子宮頸がんについて

子宮頸がんは子宮がんのうち約7割程度を占めます。

 

最近は20~30歳代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークで年間約3,000人の方が子宮頸がんで亡くなっています

 

子宮頸がんを引き起こす原因のほとんどはヒトパピローマウイルス感染です

 

ヒトパピローマウイルスは一般的なウイルスで男性も女性も感染し、主に性行為を通じて人から人に伝播するウイルスです。ワクチンを接種していない場合、女性の80%が知らない間にかかっています。感染しても90%の人はがんを発症しませんが、日本では子宮頸がんに年間1万人の方が罹患し、毎年3000人近くの方が亡くなっています

 

子宮頸がんワクチンは「がん」を予防できる希少なワクチンです。公費で接種可能な子宮頸がんワクチンを3回接種すればヒトパピローマウイルスのうち子宮頸がんの原因となるタイプの感染を60〜70%予防することができます。そして、多くの人が適切な年齢で接種することにより子宮頸がんのリスクを85%以上減らすことが報告されています

 

 

子宮頸がんワクチンの効果について

当院で採用しているガーダシルは4タイプのヒトパピローマウイルスに効果があり、子宮頸がんをおこす確率の高いタイプを含んでおり、子宮頸がんをおこす約60〜70%のウイルス感染を予防できると考えられます

 

性交渉を行う年齢より前に接種することが大切で、低い年齢から始めることにより子宮頸がん発症のリスクを大幅にへらすことが報告されています。また、女性だけでなく男性も感染し人から人に伝播するため多くの人が年齢が低いうちに接種するほど集団免疫にてワクチンの効果が高くなります

 

子宮頸がんワクチンは2006年に欧米で開発され、現在では100か国以上で公的な予防接種が行われており接種率が8割を超えている国もあります。その中から多くの有効であるという報告がされています

 

①スウェーデンからの報告:17歳未満で接種した場合、子宮頸がんのリスクが88%減り、17歳から30歳までに接種した場合でも、リスクは53%減った(Jiayao Lei, Alexander Ploner, et al.(2020)”HPV Vaccination and the Risk of Invasive Cervical Cancer” N Engl J Med, 383:1340-1348)

 

 

②イギリスからの報告:ワクチンを接種した年齢が12歳から13歳だとリスクが87%減少し、14歳から16歳では62%、16歳から18歳でも34%減少した(Milena Falcaro, et al. (2021) “The effects of the national HPV vaccination programme in England, UK, on cervical cancer and grade 3 cervical intraepithelial neoplasia incidence: a register-based observational study” Lancet, 398:2084-2092.)

 

 

ガーダシル(当院で採用している4価子宮頸がんワクチン)の接種年齢と回数、接種間隔

9歳から接種可能で年齢の上限はなく男性も接種できますが

無料で接種できる定期接種の対象年齢は小学校6年生~高校1年生相当の女子です

 

※平成9年4月2日から平成18年4月1日生まれの女子についても、令和4年4月から令和7年3月まで接種費用助成の対象となる予定です

 

江戸川区では小学6年生の3月(小学校の卒業頃)に予診票が発送されます

小学6年生または中学1年生のうちに初回接種を受けてください
その後、2か月の間隔をあけて2回目、初回接種の6か後に3回目が標準的な接種です

 

2回目、3回目の接種が遅くなっても合計3回の接種をすることが大切です。海外試験の結果では、2回目や3回目の接種が遅れた場合でも、抗体反応は良好で、通常のスケジュールに劣らなかったことが示されています

 

 

子宮頸がんワクチン接種にあたり知っておく必要があること

①接種直後の痛みと刺激によるふらつき、意識消失について

ワクチンにはその効果を高めるためにアジュバントというものが含まれています。そのため痛みを強く感じることがあります

接種直後痛み刺激により迷走神経反射を起こす方が一定程度いらっしゃいます
注射の刺激により副交感神経が活発になり、頭がふらふらしたり、吐き気、発汗などの症状を伴いその後意識消失してしまうことがあります

迷走神経反射自体は、横になって休むことなどで治るので、特に健康上大きな問題になることはありませんが、転倒により怪我をしてしまわないよう注意が必要です。

ワクチン接種前には、十分な睡眠をとり、接種後15分は椅子に座る、体調が優れない場合は体を横たえるなどの予防が重要です。

 

 

 

②子宮頸がんワクチンの接種後に報告された、持続的な頭痛や倦怠感、体の痛みについて

これまで国内でも調査研究が行われましたが、接種歴がない人にも持続的な痛み、疲労倦怠感などの症状は一定数出ることが明らかになっていて、厚生労働省によりますと、ワクチン接種との因果関係があるという証明はされていません

 

こうした症状は接種後に短期間で回復した症状も含めて「1万人当たり9人」で、入院が必要になるなど医師などが重篤と判断した症状では「1万人当たり5人」だと報告されています

 

また、国の研究班は因果関係があるかどうかわからないものの、接種後に痛みの症状が出た244例のうち、その後の経過が把握できた156例についてのデータを2016年11月に公表しました。それによりますと、痛みが消失または改善したのはおよそ74%にあたる115例、痛みが変わらないのはおよそ21%にあたる32例、痛みが悪化したのはおよそ6%にあたる9例でした。

 

子宮頸がんワクチンの接種後に出た症状についての研究は各国で進められていて、韓国の大学の研究グループは、2021年国際的な医学雑誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に接種との因果関係が証明されなかったとする論文を発表しました(Dongwon Yoon, Ji-Ho Lee, et al.(2021) “Association between human papillomavirus vaccination and serious adverse events in South Korean adolescent girls: nationwide cohort study” British Medical Journal, 372:m4931)

それによりますと、2017年時点で11歳から14歳だったおよそ44万人のうち、子宮頸がんワクチンを打ったおよそ38万人と、このワクチンを打っていないおよそ6万人で、偏頭痛や甲状腺の機能低下、関節の痛み、てんかんなど、33の症状の発症頻度に差があったか調べたところ、偏頭痛だけワクチン接種を受けた人たちにやや多い傾向は見られましたが、ワクチン接種と重篤な症状の発症の間に、因果関係は証明されなかったとしています。

 

一方で、どのワクチンでも接種したあとにさまざまな症状が出る人がいることは国際的に認識されるようになっていて、WHO=世界保健機関はこうした症状について、2019年「予防接種ストレス関連反応」という新たな概念を提唱しています