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HOME 子どものアレルギーについて 赤ちゃんのスキンケア ~生後すぐからできる、皮膚(ひふ)炎の予防~

赤ちゃんのスキンケア ~生後すぐからできる、皮膚(ひふ)炎の予防~

赤ちゃんのスキンケア ~皮膚トラブルやアレルギーを防ぐために~

 

赤ちゃんの肌はとても敏感です

生まれたばかりの赤ちゃんの肌は、大人の肌よりもずっと薄く、皮脂の分泌も少ないため、水分が逃げやすく、外からの刺激にもとても弱い状態です。
そのため、赤ちゃんの肌を清潔に保ち、しっかりと保湿することが、将来の皮膚トラブルやアレルギーの予防につながると、日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2021年)でも報告されています。

 

皮膚のバリアを守ることがアレルギーの予防につながる?

「経皮感作(けいひかんさ)」とは、皮膚のバリアが壊れた状態でアレルゲンが皮膚から体に侵入することで、将来的にアレルギーを引き起こすとされる仕組みです。
このメカニズムについては、Simpsonらの研究(2014年, J Allergy Clin Immunol)でも詳しく説明されています。
スキンケアで皮膚の状態を良好に保つことが、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーのリスクを減らすことにつながるとされています。

 

スキンケアの基本は「清潔・保湿・早めの治療」

赤ちゃんのスキンケアで意識したい基本は以下の3つです。

  • 清潔にすること
  • 保湿をしっかり行うこと
  • 皮膚トラブルがあれば早めに治療すること

 

お風呂のポイント

石けんは1日1回までで十分です。肌に残らないよう、しっかり洗い流しましょう。
お湯の温度は38〜39℃が目安で、長湯は避けましょう。洗うときや拭くときはこすらず、手のひらや柔らかいタオルでやさしく行ってください(日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン参照)

 

保湿ケアのコツ

保湿は生後すぐから開始するのが望ましいとされており、Simpsonらの研究(2014年)では、生後早期からの保湿がアトピー性皮膚炎の発症を予防する効果があると報告されています。
1日2回、朝と夜に顔や体に保湿剤を塗りましょう。お風呂あがりは5分以内に保湿することで、水分の蒸発を防ぐことができます。
授乳後やおむつ交換後、汗をかいた後も保湿を心がけてください。ウェットシートを使う場合は、低刺激性のものを選ぶと安心です。

 

生活環境も大切です

部屋の湿度は50〜60%が理想です。冬場は加湿器や室内干しを活用しましょう。
チクチクする素材や熱がこもる服は避け、やわらかく通気性の良い素材を選びましょう。(日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン参照)

 

湿疹が出たときは、ためらわずに治療を

湿疹などの症状が現れたときは、早期にステロイド外用薬を使用することで悪化を防げると、日本アレルギー学会の「アレルギー疾患の予防に関するガイドライン(2020年)」でも述べられています。
ステロイドは医師の指導のもとで適切に使えば安全で、症状の長期化を防ぐ効果があります。

 

おわりに

赤ちゃんの肌を毎日丁寧にケアすることは、将来のアレルギーや湿疹の予防につながる大切な習慣です。
無理のない範囲で続けていきましょう。お子さんの肌がきれいに保たれることは、健やかな成長の一助となります。

【参考・引用文献】

  1. 日本皮膚科学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(2021年)
  2. Simpson EL et al. Emollient enhancement of the skin barrier from birth offers effective atopic dermatitis prevention. J Allergy Clin Immunol. 2014;134(4):818–823.
  3. 日本アレルギー学会『アレルギー疾患の予防に関するガイドライン2020』