ヘルパンギーナ:症状・経過・登園のポイント
ヘルパンギーナってどんな病気?
ヘルパンギーナのまとめ
ヘルパンギーナは、夏によく見られるウイルス性の感染症です。原因はエンテロウイルス属のウイルスで、1歳前後〜5歳くらいの小さなお子さんに多くみられます。
感染すると、喉の奥に小さな口内炎ができるのが特徴で、その痛みにより食べたり飲んだりが難しくなることがあります。また、38〜39度を超える高熱が出ることもあります。発熱は2〜3日、口内炎は3〜5日ほどで自然におさまることが多いです。
登園登校は熱が下がって24時間以上経過し、食事や水分がしっかりとれるようになれば口内炎があっても可能です
治療について
ヘルパンギーナに対してウイルスを直接治す特効薬はありません。そのため、つらい症状をやわらげながら、自然に治るのを待つ「対症療法」が中心になります。
よくあるご質問:ご家庭でのケアのポイント
- ・アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬で、発熱や痛みを和らげます。
- ・喉の痛みが強いときは、冷たいゼリーやアイスなど喉越しのよいものを少しずつ与えてみてください。
- ・栄養よりも糖分の入った飲み物で水分補給を優先し、脱水にならないよう注意します。
それでも水分がとれない、ぐったりしているときは、点滴などで水分や糖分、電解質を補うために入院が必要になることもあります。
ただし、入院してもウイルスを直接治す治療はないです。入院はお子さんにとっても大きな負担になるため、どうしても必要なときだけに限られます
ご心配なときは適宜受診し、診察結果をふまえて医師と相談しながら方針を決めていきましょう。
こんなときは再受診を
- ▶︎ 熱が3日以上続いている
- ▶︎ 解熱剤を使っても不機嫌が強い
- ▶︎ 顔色が悪く、元気がない
- ▶︎ 強い頭痛を訴える(年長のお子さんなど)
熱性けいれんについて(夏に増える傾向があります)
夏は、ヘルパンギーナや手足口病、アデノウイルス感染症による咽頭結膜熱など、高熱を伴う感染症が流行しやすい時期です。
そのため、熱性けいれんが起こるお子さんも他の季節に比べてやや増える傾向があります。
けいれんが起こると驚かれることと思いますが、多くの場合は一時的なもので、後遺症が残ることはほとんどありません。
ただし、けいれんが5分以上続く場合には、救急車の要請をしてください。
登園・登校の目安
- ✔︎ 熱が下がって24時間以上経過している
- ✔︎ 食事や水分がしっかりとれるようになっている
- ✔︎ 元気が戻ってきている
ヘルパンギーナのウイルスは、喉からは1〜2週間、便からは1か月ほど排出されることがあります。
そのため、完全に他の人にうつらないようにするために保育園児を長期間隔離することは、現実的ではありません。
当院では熱がなく食欲、元気があれば、保育園や幼稚園、小学校への登園・登校は可能と判断しています。
保育所における感染症対策ガイドライン(2018年版・2023年10月一部修正)
厚生労働省(現:こども家庭庁)より発行された指針に「感染拡大を防止するために登園を控えることは有効性が低い」「本人の全身状態が安定してから登園する」ことが記載されています
▶︎ 参照:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年版・一部改訂)|こども家庭庁
※ヘルパンギーナについては、62ページをご確認ください。
当院についてのご案内
M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江は、東京都江戸川区にある年中無休の小児科です。
赤ちゃんからこどもの高熱、不機嫌、口内炎に関する診察も対応しています。
診察時間やアクセスの詳細は、当院ホームページをご確認ください。