フルミスト:鼻から噴霧するタイプのインフルエンザ生ワクチン
フルミストのご案内
フルミストは、鼻にスプレーするタイプのインフルエンザワクチンです。注射ではなく、弱くしたインフルエンザウイルス(生ワクチン)を鼻から吸収させて免疫をつける仕組みです。2024年に日本でも使用が承認されました。
接種対象
2歳以上〜18歳以下の健康なお子さんが対象です。
期待される効果
国内外の研究で、注射型ワクチンと同等の効果があるとされています。鼻粘膜を介して自然なかたちで免疫がつくられ、1回の接種でシーズンを通じた効果が期待されます。
副反応について
- ・鼻水・鼻づまり:約60%で見られます
- ・喉の痛み、咳、発熱、だるさ、腹痛、下痢などが1〜10%未満の頻度で見られることがあります
- ・ごくまれに、けいれんや神経系の副作用が報告されています
ワクチンウイルスが鼻水から3〜4週間排出されることがあり、接種後1〜2週間は妊婦・乳児・免疫力の弱い方との接触を控えてください。
接種できない方(禁忌)
- ■ 2歳未満または19歳以上の方
- ■ 明らかな発熱や重い急性疾患がある方
- ■ ゼラチンでアナフィラキシーを起こしたことがある方
- ■ 免疫不全疾患のある方、または免疫抑制治療中の方
- ■ 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- ■ 医師が接種を不適当と判断した方
- ■ 生ワクチン(MR、水痘、おたふくかぜ、BCG)を4週間以内に接種した方
※禁忌ではありませんが、ワクチン同士が干渉する可能性があるため接種できません。
医師と相談の上で接種可(接種注意)
- ▲ 5歳未満で喘鳴(ゼーゼー)を指摘されたことがある方
- ▲ 1年以内に熱性けいれんがあった方
- ▲ 慢性疾患(心臓・肺・肝臓・糖尿病・神経など)をお持ちの方
- ▲ 血液疾患・膠原病の方
- ▲ 妊娠中のご家族や免疫不全のご家族と同居している方
- ▲ アスピリン・ロキソニンを服用中の方
その他の注意点
- ・卵アレルギーのある方でも、重度でなければ接種は可能です(医師とご相談ください)
- ・生ワクチンとは4週間以上の間隔をあけてください
- ・すでに注射タイプのインフルエンザワクチンを受けた方が、フルミストを追加で接種することも可能ですが、両方接種することでの明確な効果の上乗せは確認されていません。
※注射型ワクチンは重症化予防、噴霧型(フルミスト)は発症予防に強みがあるため、医学的に証明されていませんが異なる働きを補完する可能性はあります