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ウイルス性胃腸炎について:嘔吐した時の対応

嘔吐したときの対応

 

お子さんが吐いてしまったら

突然の嘔吐はとても驚きますが、まずは落ち着いて対応することが大切です。
嘔吐のあとすぐに何かを与えると、また吐いてしまうことがあるため、まずは1〜2時間、なにも与えずに様子を見てください。
この間に、お子さんの表情や元気さ、ぐったりしていないかをよく観察しましょう。

 

■ こんなときはすぐに受診を

  • ▶︎ 重大な胃腸疾患の可能性(赤ちゃん):弱々しく泣き、ぐったりし、また泣くを繰り返している。うんうん唸っている(呻吟)こともあります。
  • ▶︎ 重大な胃腸疾患の可能性(幼児〜小学生):お腹を抱えるようにうずくまり、青白い顔で痛みを訴えている
  • ▶︎ 低血糖の可能性:意識がぼんやりしていて、呼びかけに反応が鈍い。
  • ▶︎ 強い脱水のサイン:顔色が青白い、目がくぼんでいる、元気がない(あまり泣かない)、泣いても涙が出ない など。

 

ウイルス性胃腸炎について

 

主な原因ウイルス

  • ・ノロウイルス:突然の嘔吐、下痢、発熱など。
  • ・ロタウイルス:乳幼児に多く、白っぽい水様性の下痢が特徴。重症化しやすいが、近年はワクチンの普及により大きく減少しています。
  • ・アデノウイルス:発熱が長引くことがあり、下痢が数日〜1週間続くことも。
  • ・サポウイルス・アストロウイルス:比較的軽症で自然に回復することが多い。

 

ウイルス検査は通常行いません

原因ウイルスによって治療法が変わることはないため、一般のクリニックではウイルス検査(迅速キットなど)は通常行いません。治療の基本は症状に応じたケアです。

 

ウイルス性胃腸炎の治療: 薬よりも大切なこと

 

水分補給は少しずつゆっくりと

  • ▶ 嘔吐のあと、まずは1〜2時間なにも与えずに様子を見ましょう。
  • ▶ 吐き気が落ち着いてきたら、スプーン1杯(約5ml)程度から水分を開始します。
  • ▶ 一気に飲ませるのではなく、5〜15分おきに少量ずつ与えるのがポイントです。
  • ▶ 飲ませるものは、経口補水液(OS-1など)薄めた味噌汁の上澄みなど、塩分と水分がバランスよく含まれたものを選びましょう。
  • 30分〜1時間で合計50ml程度飲めれば、ひとまず安心と考えられます。

 

 

吐き気を強める飲み物には注意

吐き気が残っているときに、オレンジジュースや乳酸菌飲料などの酸味のある飲み物を飲むと、胃を刺激して再び吐いてしまうことがあります。
これらの飲み物は、完全に吐き気・嘔吐がおさまってから、少しずつあげるようにしてください。

 

 

熱や下痢も出てくることがあります

ウイルス性胃腸炎では、嘔吐とともに熱が出ることもよくあります。
たいていの場合、嘔吐や発熱は1日程度でおさまります。
ただし、翌日も嘔吐がある場合や、2日以上熱が続くときには、ほかの病気の可能性もあるため受診をおすすめします。

また、水分がとれ食事が食べられるようになってくると、今度は下痢の症状が出てくることがよくあります
特に乳児では、1週間以上、長いと2〜3週間ほど下痢が続くこともあります。

 

 

薬物治療について

ウイルス性胃腸炎の治療は水分補給と食事の調整が中心です。薬は補助的に使います。

 

整腸剤(腸内環境を整える)

  • ▪️ ビオフェルミンやラックビーなどの乳酸菌製剤が処方されることがあります。
  • ▪️ 劇的な効果はありませんが、腸内のバランスを整えて回復を助けることが期待されます。

 

吐き気止め・下痢止めについて

  • ▪️ 嘔吐や下痢はウイルスを体から排出する反応なので、基本的には無理に止めません
  • ▪️ 嘔吐が続いて水分が取れない場合には、医師の判断で制吐薬(ナウゼリン坐薬など)を使うことがあります。
  • ▪️ 下痢止め(止瀉薬)は原則使用しません。ウイルスの排出を妨げてしまう可能性があるためです。

 

発熱に対する対応

  • ▪️ 高熱がある場合は、アセトアミノフェン(カロナールなど)を使うことがあります。
  • ▪️ 発熱はウイルスと戦う体の反応でもあるため、水分や食事が取れないときに体力の消耗を防ぐ目的で使用します。

 

 

食事の再開について

嘔吐がおさまり、水分もある程度飲めるようになってきたら、消化のよい食事を少しずつ始めてみましょう。
おかゆ、野菜スープ、やわらかく煮たうどん(短く切ったもの)などを、少量ずつ、ゆっくりと食べさせてあげてください。

 

 

登園・登校についての目安

ウイルス性胃腸炎は、学校保健安全法で出席停止が定められている病気ではありません。
登園や登校の可否は、お子さんの体調を見ながら判断します。

以下のような状態であれば、登園・登校の再開を考えてよいでしょう。

  • ◎ 嘔吐や発熱が24時間以内にない
  • ◎ 食事か普段の7割以上食べられて、元気がある

以下のような状態がある場合は、もう少しお休みさせた方が安心です。

  • ▼ 24時間以内に3回以上の水のような下痢がある
  • ▼ 食事や水分をとるたびに下痢になる

 

 

補足: ウイルス性と細菌性腸炎の違いについて

子どもが突然吐いたり下痢をすると、「ウイルスなのか細菌(食中毒)なのか」と気になる方も多いと思います。実際には、どちらの腸炎もほとんどが自然に回復するものであり、症状と経過を見ながらケアすることが大切です。

 

症状の違い(ここがポイント)

  • ▪️ ウイルス性胃腸炎:嘔吐から始まり、水のような下痢。軽い発熱を伴うことがあり、家族や園など集団内でうつることが多いです。
  • ▪️ 細菌性腸炎:強い腹痛・発熱・血便が出ることもあります。原因は食べ物が多く、嘔吐はあまり目立たないことがあります。

 

治療の違い(基本は同じ)

治療の基本はどちらも水分補給が最優先です。薬は症状に応じて補助的に使用します。

治療項目 ウイルス性胃腸炎 細菌性腸炎
水分補給 最も重要。経口補水液を少量ずつ 最も重要。経口補水液を少量ずつ
整腸剤 状況に応じて使用 状況に応じて使用
抗菌薬 使用しない 重症時や特定菌では使用する
吐き気・下痢止め 基本的に使用しない 基本的に使用しない
検査 通常は行わない 必要に応じて便培養など実施

まとめ

ウイルス性と細菌性では症状や原因に違いはありますが、どちらも水分補給が最優先です。特に小さなお子さんでは、脱水にならないようにこまめな対応が大切です。
血便・高熱・ぐったりしているなど気になる症状があれば、早めに医療機関を受診してください。

当院についてのご案内

M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江は、東京都江戸川区にある年中無休の小児科です。
赤ちゃんから高校生まで、嘔吐、下痢、胃腸炎に関する診察も対応しています。

診察時間やアクセスの詳細は、当院ホームページをご確認ください。


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