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アトピー性皮膚炎の外用薬の使い方|ステロイドの正しい塗り方と家庭でできるケア

小児のアトピー性皮膚炎の治療について(保護者の方へ)

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹がくり返し現れる、慢性的な皮膚の病気です。

 

アトピー性皮膚炎の治療の基本は、次の3つに集約されます。

アトピー性皮膚炎の治療の基本は、次の3つに集約されます:

  1. 炎症が強いときには、ステロイドを用いてでもしっかり炎症を抑えること
  2. 皮膚の見た目がよくなっても、見えない炎症を抑えるために外用薬を継続すること
  3. 再び悪化した場合には、ためらわず再度炎症を抑える治療に切り替えること

このように、外用薬を継続的・段階的に使いながら、炎症を徹底してコントロールすることが治療の中心です。

 

■ ステロイド外用薬による治療

炎症が強いときには、まずステロイド外用薬で赤みやかゆみをしっかり抑えます。

  • 1日2回(朝と入浴後)を目安に使用します。
  • すり込まず、均一に皮膚をおおうように塗ります(テカる程度)。

 

■ ステロイド外用で炎症が治まったあとの治療:プロアクティブ療法とリアクティブ療法について

見た目がよくなっても皮膚の中には炎症が残っていることがあり、すぐに治療をやめると再発することがあります。

● リアクティブ療法(悪くなったら塗る)

症状が出たときだけ薬を使い、よくなったら中止する方法です。

● プロアクティブ療法(よくなっても定期的に塗る)

週に2~3回、見た目に症状がなくても薬を続けて塗ることで、再発を防ぎます。

 

症状が軽く再発が少ない場合はリアクティブ療法、中等症以上や再発をくり返す場合はプロアクティブ療法が適しています。

 

■ 非ステロイド性抗炎症外用薬の導入について

ステロイドの副作用が出やすい部位の維持療法や再発予防の目的で非ステロイド薬に切り替えることがあります。

使用できる薬と年齢:

  • タクロリムス軟膏:2歳以上
  • コレクチム軟膏:生後6か月以上
  • モイゼルト軟膏:生後3か月以上

使い方の流れ:

  1. 1. ステロイドで炎症をまず抑える
  2. 2. 非ステロイド薬を毎日使用して安定させる
  3. 3. 状態が安定したら週2〜3回に減らす
  4. 4. 悪化時には再びステロイドで治療し、1に戻る

 

■ 抗ヒスタミン薬(飲み薬)について

抗ヒスタミン薬は、アトピー性皮膚炎そのものを治す薬ではなく、かゆみをやわらげるための補助的な治療として使用されます。

かゆみが強いときや、夜に眠れない場合などに使用されることがあり、主治療となる外用薬とあわせて用いられることが一般的です。

眠気などの副作用が出ることがあるため、年齢や症状に応じて、医師が適切に選択し処方します。

 

■ 自宅でできるケアについて

アトピー性皮膚炎の症状を安定させるためには、薬による治療だけでなく、日常生活でのスキンケアも大切です。以下のようなことに気をつけましょう。

  • ◆保湿(毎日のスキンケア):
    皮膚の炎症が治まっていても、保湿剤を毎日塗ることが大切です。
    保湿によって乾燥や外部刺激から皮膚を守り、再発を予防する効果があります。
  • ◆入浴・シャワー:
    毎日の入浴は皮膚を清潔に保つために有効です。
    38〜40℃のぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけましょう。入浴後はできるだけ早く保湿剤を塗って、乾燥を防ぎます。
  • ◆石けんや洗浄剤:
    洗うときは、低刺激・無香料・無着色の石けんをよく泡立てて、やさしく洗いましょう。
    乾燥が強い部位では石けんの使用を控えめに、脂っぽい部位ではしっかり洗浄します。
  • ◆汗への対応:
    汗をかくこと自体は問題ありませんが、かいたあとは清潔にすることが大切です。
    シャワーやぬれタオルでふき取り、着替えるようにしましょう。
  • ◆衣類の工夫:
    通気性が良くやわらかい素材(綿など)の衣類を選びましょう。
    ウールなどチクチクする素材や、締めつけの強い服は避けるようにしてください。
  • ◆日焼け対策:
    強い紫外線は皮膚の炎症を悪化させることがあります。
    外出時は帽子や長袖で日よけをし、必要に応じて日焼け止めを使用します。

 

■ 生物学的製剤・JAK阻害薬などの新しい治療について

アトピー性皮膚炎では、近年「生物学的製剤」や「JAK阻害薬」などの新しい治療法が登場し、外用療法で十分な効果が得られない中等症~重症の患者さんに対して使用されるようになってきています。

現在、アトピー性皮膚炎に対して承認されている代表的な注射・内服治療薬には次のようなものがあります:

  • デュピクセント(デュピルマブ):IL-4/IL-13の作用を抑える注射薬(生後6か月以上)
  • ミチーガ(ネモリズマブ):かゆみの原因となるIL-31を抑える注射薬(6歳以上)
  • リンヴォック(ウパダシチニブ):JAK1を選択的に阻害する内服薬(12歳以上)

 

このほかにも、バリシチニブ(オルミエント)アブロシチニブ(サイバインコ)など、他のJAK阻害薬も使用されており、患者さんの症状や年齢に応じて適切な治療が検討されます。

これらの薬剤は非常に高額であり、また感染症のリスクや定期的な検査による安全性管理が必要となるため、使用できる対象は限定されます

当院ではこれらの治療は実施しておりませんが、必要と判断された場合には大学病院などの専門医療機関へのご紹介が可能です。重症の症状や治療についてご不安な場合は、お気軽にご相談ください。

最後に:
アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりをくり返す病気ですが、根気よく治療を続けることで、よい状態を長く保つことができます。
気になることがあれば、いつでもご相談ください。

当院についてのご案内

M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江は、東京都江戸川区にある年中無休の小児科です。
赤ちゃんからこどもの長引く湿疹、かゆみ、皮膚のかさつきの診察も対応しています。

診察時間やアクセスの詳細は、当院ホームページをご確認ください。


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