りんご病(伝染性紅斑)について
りんご病(伝染性紅斑)について
りんご病は、ヒトパルボウイルスB19によって起こる感染症で、主に幼児〜学童期に多く見られます。大人もかかることがあります。
■ 主な症状
- ・頬が赤くなる(りんごのような赤い発疹)
- ・腕や太ももにレース状(網目状)の発疹
- ・発疹の約1週間ほど前に微熱・頭痛・倦怠感などの風邪のような症状(この時期に感染力があります)
※学童期以降や大人ではかゆみが強く出ることがあり、肘や膝の裏、太ももなどがかゆくなることがあります。
■ 感染経路と感染力
- 感染経路:飛沫感染・接触感染
- ・ 感染力があるのは、発疹が出る4〜7日前の風邪症状の時期
- ・ 発疹が出たころには感染力はなく、うつす心配はほとんどありません
■ 診断について
りんご病は、発疹が現れて初めて特徴的な見た目から診断される病気です。初期症状の段階では判断が難しく、妊娠など特別な事情がない限り、検査(血液検査)は保険適用外であり、通常は行いません。
■ 登園・登校について
りんご病は学校保健安全法上の出席停止対象ではありません。発疹が出た頃には感染力がないため、全身状態がよければ登園・登校は可能です。
■ 受診の目安
- ▶︎ 熱が出ていて続いている(他の感染症の可能性を含む)
- ▶︎ 発疹にかゆみが強く伴っている
- ▶︎ 発疹が長引いている・悪化している
- ▶︎ 貧血や免疫不全など、基礎疾患があるお子さんが感染した可能性がある
■ 妊婦との接触に注意が必要な理由
妊婦がパルボウイルスに感染すると、まれに胎児に感染し、胎児水腫や流産を引き起こす可能性があります。
- 特に注意が必要なのは妊娠16〜20週ごろ(胎児の肝造血期)
- 妊娠28週以降は胎児の造血が骨髄に移行し、リスクは比較的低くなります
● 接触時の対応(妊婦の場合)
- まずは産婦人科へ相談
- 血液検査(パルボウイルスB19 IgG・IgM)の相談をしてください