赤ちゃんのおむつかぶれの原因・治し方・受診の目安まで
おむつかぶれとは?赤ちゃんの肌を守るために知っておきたいこと
おむつかぶれは、赤ちゃんのおしりや性器まわりの皮膚に赤みやただれが生じる皮膚炎です。おむつの中は湿気がこもりやすく、尿や便の成分による刺激、こすれ、通気性の悪さなどが原因となります。特に下痢をしている時や、おむつ交換の間隔が長い場合に起こりやすくなります。
● 主な原因
- 尿や便に含まれるアンモニアや酵素(リパーゼ・プロテアーゼ)による刺激
- おむつ内の蒸れ、摩擦
- おしりふきによる物理的な刺激
- 石けんの使いすぎや過度な洗浄
- 真菌(カンジダ)などの二次感染
● 予防のポイント
- おむつはこまめに交換し、皮膚を清潔で乾いた状態に保ちましょう。
- 排便後やかぶれがある時は、ぬるま湯で洗い流すと刺激が少なく安心です。
- 拭くときはこすらず、「押さえるように」やさしく拭き取ります。
- おしりふきは刺激となることがあるため、ガーゼやキッチンペーパーにぬるま湯を含ませて使うのが理想です。
● おしりの洗い方(スキンケアの例)
- お風呂場や洗面器にぬるま湯を用意し、赤ちゃんを座らせてお尻を洗います。
- 足を開いて、おまたの内側までやさしく洗いましょう。
- 石けんは入浴時だけで十分です。普段はぬるま湯だけで洗いましょう。
- 拭くときはタオルで包み込むようにして、水分を押さえて拭き取ります。
- おむつかぶれ時は、おしりふきの使用を控え、刺激の少ない方法で清拭しましょう。
● 治療について
軽いおむつかぶれであれば、以下のような外用剤やスキンケアで改善します。
- ワセリン:皮膚表面に膜を作り、尿や便からの刺激を防ぐ保護薬として有効です。
- 亜鉛華軟膏(酸化亜鉛軟膏):ジュクジュクした部分の乾燥・収れん・保護に適しています。
- アズノール軟膏:赤みや軽度の炎症に使いやすい非ステロイド性の抗炎症薬です。
- ステロイド外用薬(弱いもの):炎症が強いときに一時的に使われますが、医師の指示に従って使用してください。
● 受診の目安
おむつかぶれは多くの場合、家庭でのスキンケアで改善しますが、次のような症状がある場合は小児科・皮膚科を受診してください。
● 受診の目安
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▶︎ 赤くただれてジュクジュクしている
炎症が強くなっている可能性があり、外用薬の変更(ステロイドの塗り薬や他の薬剤)が必要になることもあります -
▶︎ 市販の薬やステロイドを塗ってもよくならない・悪化する
特にステロイドで悪化した場合、真菌(カンジダ)感染の可能性があります。
赤い小さなぶつぶつ(衛星病変)が周囲に出ている場合は要注意です。 -
▶︎ 発疹が広がっている、または膿をもった発疹がある
細菌感染(二次感染)やとびひ(伝染性膿痂疹)などの可能性があり、抗菌薬が必要な場合もあります。 -
▶︎ 1週間以上続いている / おむつかぶれを繰り返す / 何度もぶり返す
スキンケアやオムツの素材、生活習慣の見直しが必要な場合があります。
● 補足
- ワセリン、亜鉛華軟膏、アズノール軟膏などは自己判断で使用してもよいケースが多いですが、使用しても改善しない場合は受診を推奨します。
- ステロイド外用薬は一時的に赤みを抑える効果はありますが、カンジダ感染があると悪化する可能性があるため、慎重な使用が必要です。