子どもの嘔吐:すぐに病院に行くべきサインと家庭での対処法
お子さんが嘔吐したときの対応ガイド
お子さんが急に吐いてしまうと、ご家族はとても驚かれると思います。多くは胃腸炎などによる一時的なものですが、いくつか注意すべきサインもあります。落ち着いて、次のポイントを参考にしてください。
■ こんなときはすぐに受診を
- ▶︎ 重大な胃腸疾患の可能性(赤ちゃん):弱々しく泣き、ぐったりし、また泣くを繰り返している。うんうん唸っている(呻吟)こともあります。
- ▶︎ 重大な胃腸疾患の可能性(幼児〜小学生):お腹を抱えるようにうずくまり、青白い顔で痛みを訴えている
- ▶︎ 低血糖の可能性:意識がぼんやりしていて、呼びかけに反応が鈍い。
- ▶︎ 強い脱水のサイン:顔色が青白い、目がくぼんでいる、元気がない(あまり泣かない)、泣いても涙が出ない など。
■ 吐いたときの水分のとり方
- 1〜2時間は何も与えず休ませる:吐いた直後は飲ませず、胃を落ち着かせましょう。
- 少量ずつスプーンで:スプーン1さじを5〜15分おきに。無理なく様子を見ながら進めましょう。
- おすすめの水分:
・経口補水液(OS-1、アクアライトORSなど)
・味噌汁の上澄み
・一時的に、カロリーがあり脂肪分のないイオン飲料も可
※冷たすぎるものは胃を刺激します。常温かやや冷たい程度がおすすめです。
■ 母乳・ミルクについて
母乳は少量であればかまいませんが、注意が必要です。
飲み過ぎて嘔吐することがあるため、直接飲むことは推奨しません。搾乳して極少量ずつあげてください
ミルクはカロリーが高く胃に負担をかけやすいため、嘔吐が続くうちはあまりおすすめしません。
ミルク栄養の方は、まずは経口補水液やイオン飲料をスプーンで少しずつ与えてください。
■ 家庭でできる感染予防
- ・トイレ後・食事前の手洗いは石けんと流水で丁寧に。
- ・処理や看病時はマスクを着用しましょう。
- ・嘔吐物や便の処理時は手袋・マスクを使用し、処理後に必ず手洗い。
- ・ドアノブやトイレなどの共有部分は、0.1%に薄めたハイターで消毒を。
(水500mlにハイターキャップ2杯が目安)
■ 吐いた直後のケア
- ⚪︎縦抱きで背中を優しくさすってあげましょう(揺らしすぎに注意)。
- ⚪︎衣服や口元の汚れは早めに清潔に。においで吐き気を誘うことがあります。
- ⚪︎発熱も見られることが多いですが、多くの胃腸炎は1日ほどで落ち着きます。
■ 水分がとれるようになったら
水分がしっかりとれるようになったら、少しずつ食事を再開しましょう。おすすめは:
- おかゆ
- 野菜スープ
- 煮込みうどん(短く切って)
食事再開後に下痢が続くこともありますが、胃腸が回復するまでに1週間ほどかかります。初期より少しずつ元気になっていれば、あわてず様子を見守ってください。
■ 下痢のときに控えたい食べ物
- 脂っこい料理や甘いお菓子
- ジュース、アイスクリーム、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品
- 食物繊維が多い食品(いも、ごぼう、豆類、海藻、乾物など)
お子さんの嘔吐は急に起こることが多く、ご家族も不安になると思います。
まずは焦らず、少しずつ回復を助けるケアをしていきましょう。必要なときには、どうぞお気軽にご相談ください。
当院についてのご案内
M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江は、東京都江戸川区にある年中無休の小児科です。
赤ちゃんから高校生まで、嘔吐、下痢、胃腸炎に関する診察も対応しています。
診察時間やアクセスの詳細は、当院ホームページをご確認ください。