鼻水、鼻づまり 自宅でできるケア
鼻水・鼻づまりの自宅ケアについて
鼻水は、ウイルスや細菌、ほこり、花粉などの異物を体の外に流し出す働きをする自然な反応です。決して悪いものではありません。
ただし、鼻水が多すぎたり、鼻づまりで眠れない・哺乳がしづらいときは、ご家庭で少しお手伝いをしてあげると赤ちゃんが楽になります。
1. やさしく拭き取る
- 水で湿らせたティッシュや、おしりふきでやさしく鼻水を拭き取ります。
- ティッシュに鼻水が連続してつくようであれば、ティッシュを丸めながら巻き取るようにして拭き取ります。
- 鼻の奥でフガフガしている場合は、ティッシュで「こより」を作ってくすぐると、くしゃみと一緒に出てくることがあります。
- 拭いた後は鼻の下にワセリンや保湿剤を塗って、肌荒れを防ぎましょう。
2. 吸い取る
- 市販のスポイトや鼻吸い器を使って吸い取ります。
- 口で吸うタイプはコツがいりますが、しっかり吸えます。
- 電動タイプは負担が少なく便利ですが、5,000~20,000円ほどの出費が必要です。
3. 温める
- 濡らしたタオルをレンジで温めて蒸しタオルを作り、熱くないことを確認してから鼻の上に当てましょう。
- お風呂に入ることで、湯気と体温上昇により鼻が通りやすくなります。
鼻水や鼻づまりがあると、赤ちゃんや小さなお子さんはとてもつらそうに見えるものです。特に授乳や睡眠に支障をきたすことがあるため、ご家庭で鼻を吸ってあげることは、一時的でも症状をやわらげる手段として有効です。
日本小児耳鼻咽喉科学会による『小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版』では、鼻処置(鼻吸引や鼻洗浄)が中耳炎の治癒を促進する可能性があることが示唆されています[1]。
また、耳鼻科学会による『急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年追補版(2025年5月時点で最新版)』でも、鼻吸引は症状改善に有効な局所処置の一つとして位置づけられています[2]。
ただし、いずれのガイドラインにおいても鼻吸引の具体的な実施方法や頻度、通院での対応に関する明確な記載はありません。効果を得るためには頻回の処置が必要と考えられますが、それに伴う頻回受診はお子さんや保護者のご負担となるだけでなく、院内感染などのリスクもあります。
そのため、当院では中耳炎と同様に、鼻副鼻腔炎に対しても通院しての鼻吸引は基本的には推奨しておらず、ご家庭でできるケアを中心にご案内しています。必要な場合は医師が個別に判断いたしますので、ご心配なことがあればご相談ください。
・ミルクや母乳がいつもの半分も飲めない
・飲んだあとすぐに咳き込む
・呼吸が早くて苦しそう
参考文献:
[1] 日本小児耳鼻咽喉科学会. 小児急性中耳炎診療ガイドライン 2024年版. 金原出版.
[2] 日本鼻科学会. 急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年版 追補版. 金原出版.