こどものお風呂について
こどもとお風呂 〜熱すぎず、長すぎずが大切です〜
お風呂は、からだを清潔に保つだけでなく、心をリラックスさせたり、親子のふれあいの時間としても大切な役割を持っています。
また、血行がよくなることで、便通の改善にもつながることがあります。
ですが、熱すぎるお湯に長時間入ることは、お子さんの体には負担がかかるため注意が必要です。
● なぜ、熱いお風呂はよくないの?
小さなお子さんは、大人に比べて体温調節がうまくできません。高い温度のお風呂に入ると、体温が急に上がってしまうことがあります。
たとえば、35℃の環境下では、大人は20分ほどでゆっくり体温が上昇し始めるのに対して、こどもは5分程度で急激に体温が上がるという研究結果もあります。
(出典:環境省「熱中症環境保健マニュアル」)
また、こどもは「暑いから出たい」「水分が欲しい」などと自分で訴えることが難しいため、知らないうちに体調を崩すことがあります。
● 熱中症や脱水のリスクもあります
お風呂は高温多湿の環境です。たとえば大人でも、41℃のお風呂に15分入ると約800mlもの汗が出るといわれています。
(出典:厚生労働省「入浴と健康」)
こどもの場合は汗腺の働きが未熟なこともあり、体の中に熱がこもりやすく、熱中症や脱水症になる危険性が高まります。
次のような症状があるときは要注意:
- ■ 顔が真っ赤で汗を大量にかいている
- ■ ぐったりしている、あやしても笑わない
- ■ 吐き気や嘔吐がある
このようなときは、すぐに涼しい場所に移して水分や塩分をとりましょう。
湯冷めに気をつけながら様子を見て、症状が続く場合は早めに受診してください。
● 学童期のお子さんにも注意を
少し大きくなったお子さんでも、長湯をすると血圧が下がって立ちくらみを起こすことがあります。
これは「お風呂で気分が悪くなる」原因のひとつです。ぬるめでも長時間の入浴は控えるようにしましょう。
● お肌への影響も
熱いお湯は、皮膚を守っている大切な「皮脂」も洗い流してしまいます。皮膚が乾燥し、かゆみや湿疹が悪化する原因にもなります。
(出典:日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」)
清潔を保つことは大切ですが、お湯の温度や時間に注意することで、肌への負担を減らすことができます。
● おすすめの入浴の仕方
- お湯の温度は38〜39℃くらいが目安です。
- 5分以内を目安に短めに入りましょう。
- 入浴後は、水分補給も忘れずに。
- 楽しい時間として、無理せずゆったりした気持ちで入れるようにしましょう。
● まとめ
お風呂は、からだもこころもあたたまる大切な時間です。でも、こどもの体は大人とは違い、熱の影響を受けやすく、無理がききません。
毎日のお風呂タイムが、安心して楽しめるひとときになるよう、「ぬるめ・短め」が基本であることを、ぜひ意識してあげてください。