ワクチン接種後の赤ちゃんの発熱対応について
ワクチン後の発熱どうしたらいいの?
赤ちゃんがワクチンを受けたあとに、発熱することがあります。
たとえば、生後2か月で接種される肺炎球菌ワクチンでは、添付文書において38.0℃以上の発熱が10.3%、38.9℃以上の高熱は0.7%と報告されています。
また、5種混合ワクチンでは37.5℃以上の発熱が11.0%あったとされています。
さらに、厚生労働省が実施した全国調査では、1回目の定期接種全体における発熱の報告率は約13.5%とされています。
これらはいずれも一部の対象をもとにした調査であり、全国規模の精密なデータというわけではありませんが、初回接種後、10人に1人ほどの赤ちゃんに37.5℃を超える発熱がみられ、100人に1人ほどは39℃近い高熱が出るという点は、実際の臨床現場での印象にも近い数字です。
熱はたいてい、接種した日の夜から翌朝にかけて上がり、半日ほどで自然に下がることが多いです。
M’s(エムズ)こどもクリニック瑞江は、東京都江戸川区の小児科で年中無休でお子さんの発熱や体調不良に対応しています。赤ちゃんから診察可能です。
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生後3か月未満の赤ちゃんの場合(早期乳児)
とくに生後3か月未満の赤ちゃんは体の機能がまだ未熟で、熱があるときには慎重な対応が必要です。生後3ヶ月未満での発熱に対し、解熱剤の使用は原則としてしません
様子をみても良い可能性が高い状態の例
以下のような状態であれば、ご自宅で様子をみても良い可能性が高いです
- ✔︎ 泣いている時顔を真っ赤にしている
- ✔︎ 大きな声で泣いている
- ✔︎ 母乳やミルクが飲めている
ワクチンを打ったその晩に、赤ちゃんが大きな声で泣いて顔を真っ赤にしていれば38度を超える熱があっても様子をみてもよいことが多いです
室温や衣類の調整について
室温と衣類の調整はとても大切です
赤ちゃんは、周囲の温度にとても敏感です。
室温は季節や服装に応じて、22〜26℃くらいを目安に調整してください。
赤ちゃんの様子をよく観察しながら、暑すぎず寒すぎないよう心がけましょう。
無理に冷やしたりする必要はありません。
- ▶︎ 手足が温かいとき:熱を放出しやすくするために1枚服を脱がせてあげてください。
- ▶︎ 手足が冷たいとき:冷えているサインかもしれませんので、軽く包んで温めてあげましょう。
温めすぎると体温が上がりすぎることがあり、逆に冷やしすぎると体温が下がってしまうことがあります。
こまめに室温と衣類の調整を行ってください。
早期乳児の発熱は注意が必要です
生後3か月未満の赤ちゃんは免疫の働きが未熟で、感染症のとき発熱が唯一の症状となることもあります。
感染症との見分けが難しい場合もあるため、ご家庭での判断が難しいときは、小児の夜間救急を行っている医療機関へ電話相談のうえ受診してください。
東京都にお住まいの方は、#7119(東京消防庁救急相談センター)に相談するのもよいでしょう。
生後3か月以上の赤ちゃんの場合
生後3か月を過ぎて、ワクチンを2回以上接種している赤ちゃんでは、重い感染症に対する免疫がしっかりとついてきています。
たとえば、ヒブや肺炎球菌などの重症感染症に対しても、2回の接種で一定の予防効果が期待できます。
そのため、ワクチン後に発熱があっても、全身状態が良好であれば、基本的には大きな心配はないことが多いです。
夜間に熱が出た場合も、赤ちゃんが元気で、ミルクが飲めていて、ぐったりしていなければ、
ご家庭にある解熱剤(医師から処方されたもの)を使って様子をみていただいて構いません。
受診の目安
もちろん、次のような様子があれば、夜間でも医療機関にご相談ください
- ▪️ 意識がぼんやりしている
- ▪️ 顔色が悪い、ぐったりしている
- ▪️ 嘔吐が続いている
これらの症状がなくても、発熱が翌日も続く場合は、日中にかかりつけ医を受診してください。
接種したワクチンの種類やスケジュールについて不安がある場合は、以下のページもあわせてご参照ください。
▶︎ 生後2か月の赤ちゃんへ|初めてのワクチン(4種同時接種)のご案内