B型肝炎について:予防接種で防げる病気について
B型肝炎について:予防接種で防げる病気です
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して人から人へ感染するウイルスです。
日本ではこのウイルスに感染している方が約100万人いるとされており、毎年およそ2万人が新たに感染していると推定されています。
感染すると、体がだるくなったり食欲がなくなったりする「急性肝炎」の症状が出ることがあります。
■ 小さなお子さんが感染した場合
特に4〜5歳以下の小さなお子さんが感染すると、症状が出ないままウイルスだけが体に残ってしまう「キャリア」となることがあります。
キャリアになると、将来的に慢性肝炎・肝硬変・肝がんなどの重い病気に進行する可能性があり、注意が必要です。
■ なぜ早めの接種が大切なの?
B型肝炎ワクチンは、生後2か月から接種が可能です。
この時期は他のワクチン(ヒブ、肺炎球菌など)とも同時に受けられるため、スケジュールが立てやすく、免疫もつきやすいことが分かっています。
また、保育園や幼稚園に通うようになると、けがや接触による感染のリスクが生じることもあり、どこで感染するか分からないという特性があるため、早めの接種が望まれます。
■ 接種スケジュールについて
- 1回目:生後2か月(ヒブ・肺炎球菌などと同時接種)
- 2回目:1回目の4週間後(生後3か月頃)
- 3回目:1回目から20〜24週間後(生後7か月頃)
3回目の接種は間隔が空くため忘れやすい傾向があります。
母子手帳に接種予定を記録しておくと安心です。
なお、B型肝炎ワクチンは2016年10月から定期接種となっており、1歳のお誕生日の前日までに3回すべての接種を終えれば、自己負担なく接種が可能です。
■ ワクチンの効果と追加接種について
B型肝炎ワクチンは、3回の接種で高い予防効果が得られることが分かっています。
一度免疫がつけば、たとえ時間が経って抗体の量が減っても、体には「免疫の記憶」が残っており、再びウイルスに触れてもしっかりと反応して発症を防ぐ力があります。
このため、一般の方では3回の接種で完了とされており、現時点では追加接種(ブースター)は必要ありません。
ただし、医療従事者など職業上のリスクが高い方については、初回3回接種後に十分な抗体が得られなかった場合に、さらに3回の追加接種を行うことがあります。
このような対応は、医療現場などでウイルスにさらされる可能性が高い方に対する特別な予防措置です。
■ 副反応について
B型肝炎ワクチンは「不活化ワクチン」に分類され、安全性の高いワクチンです。
一時的な発熱や、接種部位の腫れ・赤みといった軽い副反応が見られることはありますが、ほとんどは自然におさまります。
重い副反応は非常にまれです。
■ お子さんの将来を守るために
B型肝炎は、目に見えない形で広がることがある感染症です。
だからこそ、しっかりとワクチンで備えることが大切です。
当院では、他の予防接種と同時に安全に受けられるよう対応しています
生後2か月を迎える赤ちゃんの保護者の方へ、
初めてのワクチン接種についての詳しいご案内はこちらをご覧ください。
▶︎ 生後2か月の赤ちゃんへ|初めてのワクチン(4種同時接種)のご案内