子どもの痙攣(けいれん)について~その時あわてないために~
けいれんが起きたときに知っておいてほしいこと
お子さんが突然けいれんを起こすと、とても驚き、不安になるものです。
けれども、けいれんが5分以内におさまり、その後に意識が戻ってくるようであれば、脳に障害を残したり、将来の発達に影響することはほとんどありません。
まずは落ち着いて、お子さんの様子を見守ることが大切です。
【すぐに救急車119番を呼んでください】
- ▶ けいれんが 5分以上続いている
- ▶ けいれんは止まったが、30分以上たっても意識が戻らない、または意識があるか判断できない
【けいれん中に確認すること(観察ポイント)】
- ▶ けいれんが始まった時間(何分続いたか)
- ▶ けいれんが片側だけか、全身か
- ▶ 目の動きや視線の様子
- ▶ 呼びかけに反応があるか(意識の有無)
- ▶ 顔色(青白さ、唇の色など)
- ▶ けいれん中に吐いたかどうか
- ▶ 可能であれば動画で記録する(無理のない範囲で)
【けいれん中の対応(救急要請時も含めて)】
- ▶ 安全な場所に移し、横向きに寝かせる
- ▶ 吐いたものがつまらないようにする
- ▶ 服をゆるめる(首・ベルトなど)
- ▶ 口にものを入れない(指・スプーンなどNG)
- ▶ 心臓マッサージや人工呼吸は行わないでください(不要です)
- ▶ 高熱がある場合は、首やわきを軽く冷やしてもよい(冷やしすぎ注意)
【救急外来への相談が必要です】
- ▶ けいれんが初めて起きた(5分以内・意識回復ありなら、日中受診で可)
- ▶ けいれんが短時間でも、24時間以内に2回以上起きた
- ▶ 一度目を開けたように見えたが、その後の意識がはっきりしない
- ▶ けいれん後に、片側の手足に力が入らないように見える
- ▶ 高熱時に、うわごとや突然歩き出すなど異常な行動がある
【診療時間内にかかりつけ医での受診でよい場合】
- ▶ 以前にも熱性けいれんがあり、今回も5分以内で止まり、意識も戻っている
- ▶ 手足が震えるようなけいれんだったが、けいれん中も視線が合い、意識があった
【けいれん後、自宅でできるケア】
- ▶ 静かで安全な場所で寝かせてあげましょう
- ▶ 30分ほどで徐々に目を覚ますことが多いです
- ▶ 1〜2時間は、意識が戻るかをしっかり見守ってください
- ▶ 吐くことがあるため、横向きで寝かせましょう
- ▶ 水分は、けいれん後1時間以上たってから、少しずつ与えてください(無理に飲ませない)
- ▶ けいれんの時間や様子をメモしておくと、診察時に役立ちます
出典・参考文献
- 日本小児神経学会「熱性けいれん診療ガイドライン2015」
- 日本救急医学会「市民向け けいれん時の対応指針」
- 日本小児科学会監修「こどもの救急」