おたふくかぜの症状と治療法|予防接種の効果や受けるべき時期は?
おたふくかぜは予防接種で防げる病気です
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下(耳下腺)が腫れ、発熱や痛みを伴います。
特効薬はなく、安静と解熱鎮痛剤による対症療法が中心です。
予防接種が、唯一の予防手段とされています。
1歳と年長さんでの2回接種がおすすめです
現在は1歳で1回目のワクチン接種を受ける方が増え、幼児期の発症は減っています。
しかし、2回目(5〜6歳ごろ)の接種が済んでいないお子さんが多く、小学生以上での発症が定期的に見られます。
2回接種により、約90%以上の予防効果が得られるとされており、合併症のリスクも軽減されます。
症状と診断のポイント
典型的な経過
- 潜伏期間は約2〜3週間
- 片側または両側の耳の下(耳下腺)が腫れて発症
- 1〜2日で反対側も腫れてくることが多い
- 顎の下まで腫れることもあり、触ると痛みがあります
診断が難しいことも
腫れが片側だけ、またはすぐ引いた場合は、おたふくかぜではない可能性があります。
再度の受診をおすすめすることもあります。
おたふくかぜ以外にも、反復性耳下腺炎など似た病気があるため、診断には注意が必要です。
合併症と注意すべき症状
重症化することもあります
- 高熱と強い痛み(ぐったりして入院が必要なことも)
- ムンプス髄膜炎(強い頭痛、吐き気、起き上がれないなど)
- ムンプス難聴(片耳が聞こえにくくなり、後から気づかれることも)
ムンプス難聴について
近年、ムンプス難聴の報告が増えており、現在も調査が続けられています。
一度発症すると回復が難しい場合もあり、予防接種による予防が重要です。
治療と家庭でのケア
おたふくかぜに特効薬はありません。治療は以下のような対症療法となります。
- 安静に過ごす
- 解熱鎮痛剤を使用(医師の指示に従って)
- 唾液が多く出るもの(酸っぱい果物など)や、硬いものは避ける
- やわらかくて食べやすいものを選ぶ
登園・登校の目安
感染力が強いため、以下の基準が設けられています。
「耳下腺、顎下腺または舌下腺のはれが確認できた後5日を過ぎ、かつ、全身状態がよくなるまで」
この期間は自宅での療養が必要です。
ワクチン接種を受けましょう
「おそらくおたふくかぜにかかったかも」と思っても、明確な診断がない場合は予防接種をおすすめします。
おたふくかぜワクチンは安全性が高く、追加接種にも適しています。
当院では、1回4,000円(税込)で接種を行っています。
小学校入学前までのお子さんには、江戸川区の助成制度(3,000円)があり1歳と5〜6歳で自己負担1,000円にて接種可能です。
詳しくは受付にてご確認ください。